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講座詳細情報

申し込み締切日:2018-09-03 / その他教養:芸術 / 学内講座コード:05

立ち現れる聖性 仏教美術と基層信仰

主催:佛教大学佛教大学四条センター(京都府)]
問合せ先:四条センター TEL:075-231-8004
開催日
4月9日(月)~9月3日(月)
講座回数
全12回
時間
13:00~14:30
講座区分
通年 
入学金
 - 
受講料
1,000円
定員
150
その他
各1回1000円
補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。

講座詳細

 シューベルトやシューマンが愛し、その詩に美しい調べを付した19世紀ドイツの詩人・ハインリヒ・ハイネ【Christian Johann Heinrich Heine, 1797年 - 1856年】に『流刑の神々』【Les Dieux en Exil, 1853】という著作があります。彼は、この著作の中で、唯一神を奉じるキリスト教によって、世界の辺境や隅に追いやられたギリシャ・ローマの神々が、各地の伝承の内に力強く生きている姿を深い愛の内に描きました。ユダヤ人として生を受けた彼の意図は、世界のメインシステムが変わっても生き続ける心の奥底に潜む抑制されることなき“何か”。それは人が生きていくために絶対に欠かすことができない大切な“核”であり、人類史のあらゆる時空に装いを変えながら何度でも現れてきます。今年度の講座は、ハイネが賛美した人の奥底に潜む“核”(彼はそれを神々と呼んだ)と仏教美術を巡る12の物語。仄かな光を孕む薄暗闇の領域から、仏教美術のフィールドに立ち現れてくる原初のイマージュを皆さんと一緒に捉え、感じ、考えていきたいと思っています。

■前期の講座内容
4 月 9 日(月)飛鳥美術にみる“氣”の造形
 細長い尊顔に拝されたアーモンドの実のような大きな眼。口端をわずかにあげることによって浮かぶ神秘の笑み。痩身を包む大きな衣が造りだす幾何学的なリズム。宝冠や髪、衣端などに配された渦や不可思議な形象。飛鳥時代に制作された仏は、自然主義的な造形を厳しく排除しているかのようです。この造形の核となっているのは中国オリジンの“氣”。中国大陸に住まう人々の心の奥底に潜む重要な“核”です。神秘に満ちた飛鳥時代の仏教美術を今一度しっかりと“観”ることから始めましょう。

5 月 7 日(月)蓮の真相―白鳳美術に潜む神秘の形
 美しい水からするすると立ち昇ってくる不可思議な形象。蓮の花びらの上に軽やかに坐す美しい肢体を持った聖者たち。みずみずしい生命力に満ちた肉体を持つ白鳳の仏達は聖なる華・蓮が良く似合います。インドで誕生した神秘的な“いのちのかたち”の本邦への伝来と開花をお楽しみください。

6 月 4 日(月)法華堂根本曼荼羅と聖山―召喚された聖地
 画面の大半を占める空間に山が描かれています。よくみると、不思議なかたちをした雲がゆらゆらと立ち昇り、人の手のような枝を持った樹木もみられます。山中には水をたたえた空間もあるようです。山の前では調和美を体現したような釈迦が菩薩や弟子たちを前に説法をしています。伝わったのは東大寺法華堂。現在、ボストン美術館の至宝として知られるこの絵画は、奈良時代の古典美を代表する作品として評価されています。しかし、この絵画にはそれだけにとどまらならい不思議な凄みが宿っています。日本的な変容をとげた聖なる山の謎に迫ります。

7 月 2 日(月)行基と霊木化現仏―聖樹の降臨
 今から1300年前の奈良時代に一人の僧侶がいました。穏やかさの内に何者にも屈しない深い強さを秘め、いつもまわりには人々が参集していました。老若、貴賎の別なく仏の教えを説き、人々のために橋をかけ、布施屋をつくり続けたその人を、人々は“行基菩薩”と呼び崇めました。この限りなく仏に近い聖人がある時、啓示を受けたと言います。原初より日本列島に根付いたカミ宿る深い森より美しい仏が立ち現れてくるヴィジョンとともに。植物からヒト形への神秘的なメタモルフォーシス。美術史家・井上正が“霊木化現仏”と名づけた御仏の森へ皆さんをご案内いたします。

8 月 6 日(月)空海とイマージュ―“かたち”を媒介し変容する世界
 「真言秘蔵の経疏は隠密にして図画を仮らずんば相伝することあたわず。」空海が、『御請来目録』中に師・恵果の言として載せたこの一文は、密教におけるイマージュの役割を鮮やかに示しています。空海は、インド伝来の、“イマージュを媒介し真理に近づく実践的宗教”・密教によって、乖離し始めていた自然と人間の関係性を回復しようとしました。それは、全存在に聖性を見出し尊重する日本古来の基層信仰の力強い復権でもありました。空海にとって“かたち”とは何だったのでしょう?そのことを今一度考えてみたいと思います。

9 月 3 日(月)溢れ出す火と光―虚空蔵という“仏”
 虚空に浮かぶ円相に一人の仏がいまします。独立した生命のように激しくはためく着衣を身にまとい、体からは大光明が発せられています。右手は我々を救い上げるように前に差し出され、左手は聖なる華・蓮華を優雅に執っています。蓮の華の上に載せられた宝珠はほのかな光を発しているようです。仏の尊名は虚空蔵菩薩。空間に遍在する無限の智慧と宝を象徴する仏です。空海を聖なる世界へ導いたこの仏は、日本の基層信仰と深い部分で融合していきます。6回目の講座は、太古から人々の記憶に宿る火と星々の聖性を受け継いだ虚空蔵菩薩の物語です。



備考

※講師のやむをえない事情、天災や天候の激変、その他突発的な事情により、講座開講の日時・講座の内容等を変更または休講する場合があります。その場合、ホームページに掲載します。

※開講当日の申し込みです(臨地ゼミナールなど一部の講座は除きます)。

※受講申込の受付は講座開始の60分前(10:00開始の講座は30分前)から開始します。

※申込者が講堂(会場)の収容人員を超過した場合は、その時点で申込受付を終了させていただきます。

講師陣

名前 川野 憲一 (かわののりかず)
肩書き 神戸市立博物館学芸員 
プロフィール

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