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講座詳細情報

申し込み締切日:2019-03-11 / その他教養:芸術 / 学内講座コード:07

立ち現れる聖性 仏教美術と基層信仰

主催:佛教大学佛教大学四条センター(京都府)]
問合せ先:四条センター TEL:075-231-8004
開催日
10月1日(月)、10月29日(月)、11月5日(月)、
12月3日(月)、1月7日(月)、2月4日(月)、
3月11日(月)
講座回数
全12回
時間
13:00~14:30
講座区分
通年 
入学金
 - 
受講料
1,000円
定員
150
その他
各1回1000円
補足

講座詳細

 シューベルトやシューマンが愛し、その詩に美しい調べを付した19世紀ドイツの詩人・ハインリヒ・ハイネ【Christian Johann Heinrich Heine, 1797年 - 1856年】に『流刑の神々【』Les Dieux en Exil, 1853】という著作があります。彼は、この著作の中で、唯一神を奉じるキリスト教によって、世界の辺境や隅に追いやられたギリシャ・ローマの神々が、各地の伝承の内に力強く生きているを深い愛の内に描きました。ユダヤ人として生を受けた彼の意図は、世界のメインシステムが変わっても生き続ける心の奥底に潜む抑制されることなき“何か”。それは人が生きていくために絶対に欠かすことができない大切な“核”であり、人類史のあらゆる時空に装いを変えながら何度でも現れてきます。今年度の講座は、ハイネが賛美した人の奥底に潜む“核”(彼はそれを神々と呼んだ)と仏教美術を巡る12の物語。仄かな光を孕む薄暗闇の領域から、仏教美術のフィールドに立ち現れてくる原初のイマージュを皆さんと一緒に捉え、感じ、考えていきたいと思っています。

■後期の講座内容
10月1日(月)内に抱える自然の"力"-不動明王の位相
 暗闇の中、護摩の焔を前にマントラを唱える行者。眼前にほのかに浮かび 上がる剣を持つ“力”の象徴。護摩の炎と呼応するような激しい炎を身にまとい、眼を瞋(いか)らせ、牙をむきだしにして、岩座にたたずむ身体からは神秘の雰囲気が漂います。仏の名は不動明王。忿怒尊でありながら我が国において最も深く信仰されてきた仏の一人です。インドの山のカミから日本の山のカミへの変容。不動明王の属性と日本の基層信仰の驚くべき一致を探ります。

10月29日(月) 溢れ出す火と光―虚空蔵という“仏”
 虚空に浮かぶ円相に一人の仏がいまします、生き物のように着衣はうごめき、体からは大光明が発せられています。右手は我々を救い上げるように前に差し出され、左手は聖なる華・蓮華を執っています。蓮の華の上に載せられた宝珠はほのかな光を発しているようです。仏の尊名は虚空蔵菩薩。空間に遍在する無限の智慧と宝を象徴する仏です。空海を聖なる世界へ導いたこの仏は、日本の基層信仰と深い部分で融合していきます。太古から人々の記憶に宿る火と星々の聖性を受け継いだ虚空蔵菩薩の物語。

11月5日(月) 混交する現世と浄土-平等院鳳凰堂という異世界
 万古変わらぬ宇治川の流れと豊かな自然。俗世に倦んだ都人を癒した山紫水明の地に、遡ること一千年の昔、比類なき仏堂が出現しました。その仏堂は、一千年後の世にあっても平等院鳳凰堂として人々を魅了し続けています。想像の世界にのみしか存在を許されなかった浄土の“イデア”を現世に具現化したこの空間は、日本の基層信仰とも深いところで通底しています。最高の仏師・定朝を得て顕現した平等院鳳凰堂という“異世界”の魅力に迫ります。

12月3日(月) すぐ隣にある"根"の国-地蔵菩薩と閻魔さま
 六道の内で最も忌むべき世界・地獄。しかし、日本列島各地にはこの厭うべきはずの“地獄”を冠した地名が多数存在します。そして、日本人が地獄と聞いてまず思い出すのが閻魔様、そして地獄に堕ちた人々をも救うとされるお地蔵様。この二人の尊格は、物語はもちろん、絵画、木彫、野の石仏など様々なあり方でイメージ化され、一昔前の日本人の心の奥底に息づいていました。何故、インド生まれのこの二人はこれほどまでに日本列島に根付いたのでしょうか。日本古来の“根”の国と閻魔と地蔵のお話です。

1月7日(月) 全ては自然の内に- 一遍聖絵にみる人と自然
 今から800年前の鎌倉時代、日本全国の聖地を経めぐりながら、ひたすらに阿弥陀の教えを説き続けた一人の僧侶がいました。その名は一遍。彼の全国行脚の様は、彼を良く知る智・情に富む縁者と最高の絵師によって、崇高な価値を持つ12巻の絵巻に仕立てられました。彼の阿弥陀信仰は、生涯の永い旅路の中でインド伝来の姿から変容し、日本的な自然観に裏打ちされた独自の境地へと至ります。捨聖(すてひじり)一遍が到達した日本的念仏の世界を感じます。

2月4日(月) 世界に満ちる聖性- 青不動の奇跡
 朱、丹、墨、白、ほの暗く静かな画面の内にあり、まるで生きているように燃え上がる炎。その前に確かな存在感を抱え、鎮座するダークブルーの身色を持つ “力”の象徴。京都・粟田口、青蓮院に伝来した不動画の至宝・不動明王二童子画像、通称“青不動”。今から一千年の昔、この世に産み落とされたこの絵画は、今なお観るものを一瞬にしてその場にしばりつける“呪力”を静かに放ち続けています。さらに細部に眼をむけると理想と現実、彼岸と此岸を結びつける驚くべき 仕掛けが...聖画・青不動に秘められた聖なるメッセージを解き明かします。

3月11日(月) 聖者と"死"の変奏曲- 涅槃図の深層
 虚空に浮かぶ月、たちのぼる雲気、色を失う沙羅双樹...静かに別の世界へ移行しようとする聖なる存在をとりまく、苦海に生きる有情たち。全ての仏教者にとっての理想郷、苦と迷いの炎が消失した世界・涅槃。 今から2500年前に生きた偉大な生命・ゴータマ・シッダールダ・釈尊は、 世に充ちる“苦”の実相を見極め、そこから逃れる術を“人”としての命尽きるまで説き続け涅槃に入りました。釈迦が涅槃に移る瞬間を描いた涅槃図は、仏教において時空を超えて最も流布し、生産されたイマージュです。そして、この涅槃図には、日本において他国に例をみないほど多様な展開を遂げていきます。今年度最後の講座では涅槃図に秘められた日本的な「命のメッセージ」を読み解きます。





備考

※講師のやむをえない事情、天災や天候の激変、その他突発的な事情により、講座開講の日時・講座の内容等を変更または休講する場合があります。その場合、ホームページに掲載します。

※開講当日の申し込みです(臨地ゼミナールなど一部の講座は除きます)。

※受講申込の受付は講座開始の60分前(10:00開始の講座は30分前)から開始します。

※申込者が講堂(会場)の収容人員を超過した場合は、その時点で申込受付を終了させていただきます。

講師陣

名前 川野 憲一
肩書き 神戸市立博物館学芸員 
プロフィール

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